ネクストエンジンの設定方法とあらかじめ知っておきたい要所

ネクストエンジン・アイキャッチ画像

ネクストエンジンって何?というところから(公式から抜粋)。

ネクストエンジンは楽天、Yahoo、Amazonなど複数のネットショップ、モールの受注管理、在庫管理、ページ管理を一括で行い(一元管理)発注管理、顧客管理、メール送信などの運営に必要な機能を揃えたクラウド・ASP(SaaS)システム(以下略。

ふだん各ショップごとに行っている業務の大部分を一元管理して、自動化・効率化する業務改善システム、というところでしょうか。

自動受注メールを送ったり、自動出荷メールを送ったりしますし、各モール・カートごとに管理している在庫を一元管理し、在庫増減を各モール・カートに反映したり、入金済データの自動取込、出荷情報の自動反映など、ショップの基本的な機能は備わっています。
仕入、分析、倉庫連携も行えるらしいです。

今回、Amazon、Yahoo、au PAY マーケット、カラーミーショップの設定を行いましたので、忘れないうちに記事に書き留めます。

ネクストエンジン初期設定ナビ

在庫連携のしくみ

ネクストエンジンには、商品マスタと呼ばれる、データベースがあります。
これと、各モール・カートの商品データと紐づけすることで、在庫連携を実現します。

マニュアル「商品コードの役割とルール」から図を引用します。

ネクストエンジンの商品コード

実際には、マニュアル「モール・カートごとの商品コード統一ルール」に従って、ネクストエンジンの商品コードと対応するように、各モール・カートを商品コードなどを修正していきます。

マニュアルには対応がこんな風に書いてあります。

・単品商品(選択肢なし商品)の場合

本システムの商品コード = Amazonの「出品者SKU」

本システムの商品コード = Yahoo!ショッピングの「商品コード(code)」

本システムの商品コード = au PAY マーケットの「商品コード(code)」

本システムの商品コード = カラーミーショップの「型番」

※カラーミーショップの商品コードは自動配番される数字ですので、連携させるには都合悪いので型番を使います。
このあたりは商品コードの統一の仕方もイメージしやすいですが、選択肢つき(カラーミーショップでいうところのオプション項目)の場合はどうでしょう?

・選択肢つき商品の場合

本システムの商品コード   = Amazonの「出品者SKU」

本システムの代表商品コード = Yahoo!ショッピングの「商品コード(code)」
本システムの商品コード   = Yahoo!ショッピングの「個別商品コード(subcode)」

本システムの代表商品コード = au PAY マーケットの「商品コード(code)」
本システムの商品コード   = au PAY マーケットの「商品コード(code) + SKU横軸管理ID+ SKU縦軸管理ID」

本システムの代表商品コード = カラーミーショップの「型番」
本システムの商品コード   = カラーミーショップの「型番 + オプション1項目 + オプション2項目」

Amazonについては、バリエーションごとに商品ページを作りますので、選択肢つき商品であってもなくても、それぞれに出品者SKUが割り振れるので、特別なことは何もしません(対応は一番わかりやすい)。

Yahooショッピングは、商品コード(code)を更新できません。一旦商品データを全削除して、再登録する必要があり、かなり大変な作業です。商品コード(code)は画像ファイル名に使っていますし、商品ページのURLでもあります。これらの修正も必要です。

au PAY マーケットの商品コードは、CSVでNULLクリアしてから、再セットします。CSVで一括更新可能です。軸が妙なこと?になっていてCSVで更新できない場合は、商品データを削除してから、再登録するのが早いでしょう。

カラーミーショップは、オプション項目名に「赤【管理番号:__S-RED__】」という風につけるよう指示があります(アパレルショップでたまに見かけます)。CSVで更新できます。

選択肢つき商品は、作業がぐっと大変になります。特にYahooショッピング!
ということで、Yahooショッピングの商品コードを優先できるなら、それに合わせて他ショップを揃えられないか検討しましょう。

カラーミーショップの型番が変更できないようなら、カラーミーショップを優先して他ショップを揃えていきます。
Amazonの出品者SKUは修正なしでそのまま使えます。これを基準に他ショップを揃えることで作業量を減らすことができます。

在庫連携では、在庫数以外は反映しないみたいです(取扱フラグを反映してほしかったがしなかった)。

参考)マニュアル「在庫連携のしくみ」

設定作業について

作業はマニュアル「モール・カート別マニュアル」を参照しながら。マニュアルの指示が細かいので、丁寧に読み進めましょう。

細かい情報も記載していますが、ここではまず、大まかな流れを掴んでください。
A=Amazon、Y=Yahooショッピング、W=au PAY マーケット、カ=カラーミーショップ

0.商品コードの統一(前章の内容)

1.事前準備

店舗の登録を行います。店舗は削除不可!大事なのは税別・税抜の指定くらい。
au PAY マーケットについては、先にアプリをインストールすることで、店舗登録も完了します。

2.基本設定

受注メール、API、FTPで必要な情報を取り込んで、受注処理・在庫連携・出荷処理などを行います。そのための基本設定になります。
・受注メールの転送(Y、カ)
・APIの認証(A、Y、W、カ)
・FTPの設定(Y)APIがあれば不要?

3.ネクストエンジンの商品マスタ登録

商品コード(上で統一したもの)と商品名、仕入先(登録なしなら9999)、原価(0でもOK)、販売価格、定価などが必須項目になります。
表示・非表示(visible_flg)は表示指定(1)。在庫連携に必須です。
在庫数(zaiko_su)は上書き更新でなく、加算減算です。商品マスタを更新する際は注意が必要です。
商品マスタの削除はCSVで行います。

4.モール商品一括登録

各モール・カートからダウンロードした商品ファイルをネクストエンジンにアップロードすることにより、在庫連携ができます。
モール商品データ(A、Y、カ)。au PAY マーケットは不要。

5.ネクストエンジンが自動処理するため設定

これまでの設定で、受注データを取り込み、在庫連携できる準備は整っています。

ここでは、ネクストエンジンが自動処理するためにあらかじめ設定を行います。
発送方法の取込設定(受注データに含まれる文字列をネクストエンジン用に変換して取り込む)、納期区分設定(A、Y)の自動連携もあります。

6.ショップの運用に関係する設定

自動送信メール(受注、出荷、フォロー)、出荷まわりの帳票類の設定などを行います。
実際に運用しながら調整することになると思います。

留意すべき記述など

作業時に読むマニュアルの量が非常に多く、インプットするために数回読む必要があります(とても時間がかかる)。
特に重要そうなものをピックアップしましたので、作業前に目をとおせば、作業効率アップ間違いなし。

Amazon

自動採番されたSKUを修正する必要がある場合は一旦商品を削除し、再登録してください。(AmazonではSKUの修正は行えません。)
→SKUの変更は以前の評価が消えます。商品削除する必要があるYahooショッピングにも当てはまります。

Yahooショッピング

「オプション項目名」「入力値」に半角スラッシュ(/)を使用しないでください。
→あまりないかもしれませんが、一応。

在庫連携ご利用時の注意。本システムは、Yahoo!ショッピングのプロフェッショナル出店のみ対応しております。
ライト出店には非対応です。対応予定も未定です。

au PAY マーケット

商品コード紐づけ機能を使用している商品は、在庫連携の対象外です。
→商品コード紐づけ機能は、商品コード統一より簡易な作業で、商品間の紐づけを行います。

自動連携用アプリを利用する場合、管理用IDに値を登録しないでください。

自動連携アプリを介してワウマネージャーと連携する場合は1種類の発送方法しか取り込めません。
→2種類以上ある場合は、手動で修正します。

カラーミーショップ

カラーミーショップは、受注処理において受注CSVファイルのアップロードが必要です。
→「出荷に必要な受注情報」を受注伝票に補完する役割。APIでは処理できません(手動)。

商品名には全角カッコ「()」を利用しないでください。
→半角スペースと半角括弧で置き換えます。

在庫数が「空欄」の商品は、在庫連携の対象外となります。
→在庫管理しないの場合は在庫連携しません。在庫連携させるには「在庫管理する」かつ大きい在庫数を入れましょう。

オプションごとの型番を登録していた場合、在庫連携が正しく行われません。
→あらかじめ削除しましょう。

在庫連携するタイミング

・ネクストエンジン上の在庫数に変動があった場合(商品が売れた、など)
・該当商品マスタが更新された場合
・該当商品をモール商品一括登録した場合
モールやカート側の在庫数を手動で変更した場合や、モールやカート側の在庫数がネクストエンジンの在庫数と異なっていても、在庫連携処理のタイミングではございませんので、連携されません。
参考)モール(カート)側で在庫数を変更してしまいました。その後、いつまで経ってもネクストエンジンの在庫数に上書きされません。在庫連携はしないのでしょうか?

その他

使用不可文字…半角コロン、半角ハテナ、半角カンマ、半角カタカナ、旧漢字、全角チルダ(~)、機種依存文字
参考)マニュアル「本システムの使用不可文字」

おわりに

多くのショップで使うであろう、受注処理、在庫連携、出荷処理について、記事をまとめました。それ以外にも、仕入、分析、ページ作成などの機能も備わっています。

自動で行えないこともある、という点に注意が必要です。

商品コードの付け方で、評価・レビューが消えてしまうこともあります。

商品説明を共通にしているとGoogleからコピーページと判断され、検索エンジンにインデックスされないこともあるそうです。店舗ごとに文面を工夫したほうがよさそう。

想像以上に大きなシステムで、オーナー様ひとりで設定を行うのはかなり大変だと思います。
設定代行業者を紹介してくれるそうなので、依頼することも検討されてはいかがでしょうか。

執筆者

えいじ@naeco.jp この記事を書いた人

メーカー系情報システム部門出身の個人事業主。
自作するのが好きですぐに試したくなる、凝り性なWebエンジニア。
カラーミーショップ、モールなどのECについて記事にしています。

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